図を書かない生徒というと、
多くの人は「苦手な子」を
思い浮かべます。
でも現場で見ていると、むしろ逆です。
成績がそこそこ良い子ほど、
図を書きません。
しかも本人は本気で考えています。
手を抜いているわけでも、
怠けているわけでもありません。
ではなぜなのでしょうか。
「頭でできる」という成功体験
成績上位層には共通点があります。
- 中学までは式だけで解けた
- 暗算や変形で押し切れた
- 図を書かなくても点は取れていた
つまり、
書かないまま成功してきた。
これが最大の理由です。
図を書かなくても解ける。
むしろ、早く解けてきました。
だから無意識のうちにこう思います。
「図を書くのは効率が悪い」
書くことが“スマートじゃない”と感じる
成績上位層ほど、実はこれがあります。
書く=思考力が足りない人のやり方
式だけで処理できる方が賢い。
図に頼るのは洗練されていない。
これは明確な言葉ではなく
もっと微妙な感覚。
でも確実に存在します。
だから
- グラフを書けば一瞬で整理できる問題でも式で押す
- モーメントの問題でも図を書かない
- 条件整理を脳内でやろうとする
という現象が起きます。
それは小さな「プライド」
ここで出てくるのが、
大きなプライドではなく
小さなプライドです。
「自分はできる側だ」という感覚。
図を書くことで
- 遅くなる
- 手を動かす
- 一段階戻る
それがほんの少しだけ
“負け”のように感じてしまう。
でも実際は逆です。
図を書かない方が、実は不安定

処理能力が高い子は
ある程度までは脳内完結で進めます。
でも問題が複雑になると
- 定義域の整理で迷う
- 条件の抜けが出る
- 範囲の変化を見失う
そして
「なんで合わないんだろう」と
考え込みます。
原因は能力不足ではなく
思考を外に出していないこと。
図はプライドを捨てる訓練でもある
図を書くという行為は
- 思考を可視化する
- 自分の曖昧さを認める
- 一段階戻る
という作業です。
だからこそ
上位層ほど抵抗があります。
でも本当に伸びる子は
ここで一度プライドを外します。
「図を書いた方が合理的だ」と
気づいた瞬間、一気に安定します。
まとめ
図を書かないのは
能力が低いからではありません。
むしろ
できてきた経験があるからこそ
起きる現象。
そしてその背景には
小さなプライドがあります。
図は補助ではなく、
思考を安定させる技術。
ここに気づけるかどうかが
高校以降の伸びを
大きく左右します。
