2026年8月23日に実施された第3回下野模試の数学について、今回の問題を実際に確認した塾講師の視点から難易度を分析します。
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今回の数学は、「前半は比較的取りやすい一方、後半になるにつれて差がつく」標準〜やや難レベルの問題構成だったと感じます。
特に注目したいのが大問5です。一次関数、正方形、動点、面積、グラフなどを組み合わせた問題が出題されており、今回の数学で高得点を取るための大きなポイントになっています。
この記事では、2026年度第3回下野模試・数学について、大問1〜5の難易度や特徴、得点差がつきやすいポイントを塾講師目線で分析します。
(長文ですので興味のある方だけどうぞ)
今回の下野模試・数学の難易度は「標準〜やや難」
今回の数学を一言で表すなら、
「前半は取りやすい。しかし、後半で一気に差がつく」
という印象です。
いわゆる「超難問がずらりと並んでいる」というタイプではありません。
基本的な計算や知識を使う問題から始まり、徐々に、
・問題文を正確に読む
・図から条件を読み取る
・数量の関係を式にする
・誘導に沿って考える
・複数の単元を組み合わせる
といった力が必要になってきます。
そのため、基礎がしっかりしている生徒であれば前半で得点を積み上げることができます。
一方で、80点、90点と高得点を目指すほど、後半の問題への対応力が重要になる模試だったと考えます。
大問1 小問集合【難易度:★★☆☆☆】
大問1は、今回の数学の中では比較的取りやすい問題です。
出題されているのは、
・正負の数
・単項式の計算
・展開
・平方根
・文字式
・反比例
・角度
・絶対値
など、これまでに学習してきた基本事項です。
中3のこの時期であれば、ここはできるだけ落としたくないところです。
特に上位層の生徒なら、大問1は満点を狙いたいところでしょう。
簡単な問題ほど「計算ミス」に注意
小問集合で怖いのは、問題そのものが難しいことではありません。
むしろ、
「簡単だからこそ、油断してミスをする」
ことです。
例えば、大問5のような思考力を必要とする問題を正解できる生徒でも、大問1の計算で2点落としてしまえば非常にもったいない。
模試で高得点を取るためには、
「難しい問題を解く力」
だけではなく、
「簡単な問題を確実に正解する力」
も必要です。
上位層の生徒ほど、この「取りこぼしの少なさ」が重要になってきます。
■ 大問2 方程式・速さ・円【難易度:★★★☆☆】
大問2は、複数の分野から出題されています。
二次方程式から始まり、
・速さと方程式
・円
と続きます。
単元がかなり幅広いのが特徴です。
二次方程式は確実に取りたい
最初は二次方程式の問題です。
この時期の模試としては、基本的な解法を確実に使えるかどうかがポイントになります。
因数分解などを利用して正しく解くことができれば、ここは得点したいところです。
二次方程式は今後の入試でも重要な単元ですから、ここでの失点はできるだけ減らしたいところです。
速さの文章題は「式を作る力」がポイント
家から公園、公園から図書館まで歩く問題では、道のりと速さ、時間の関係から連立方程式を作ります。
このタイプの問題は、
「何をx、何をyとするか」
を決めるだけでは終わりません。
それぞれの区間にかかった時間を式で表し、全体の時間につなげる必要があります。
文章題が苦手な生徒にとっては、ここは少し難しく感じられたかもしれません。
円の問題では「説明する力」も必要
最後は、3つの円が接している図を利用した問題です。
円Aの半径をa cm、円Bの半径をb cmとすると、
円Aの円周は 2πa cm
円Bの円周は 2πb cm
となります。
したがって、2つの円の円周の和は、
2πa + 2πb
と表すことができます。
このように、単に答えを求めるだけではなく、「なぜそうなるのか」を文字を使って説明することが求められています。
上位校の入試を考えるうえでも、こうした説明問題への対応力は重要です。
大問3 作図・立体・合同【難易度:★★★☆☆】
大問3は、図形分野を中心とした問題です。
内容は、
1.作図
2.回転体
3.三角形の合同の証明
という構成になっています。
作図は基本を確実に
最初は、円の中心を通る直線に対して、点Aを通る垂線を作図する問題です。
作図は「方法を覚えているか」が重要ですが、それだけではありません。
なぜその作図によって垂線が作れるのかという、作図の意味まで理解していると安心です。
回転体は「回転の軸」に注意
直角三角形を辺ABを軸として1回転させてできる立体の体積を求める問題があります。
ここでは、
「どの辺が底面の半径になるのか」
「どの辺が高さになるのか」
を正しく判断することがポイントです。
さらに、その後には辺ACを軸に回転させた立体の表面積を考える問題が続きます。
同じ三角形でも、回転軸が変わればできる立体も変わります。
図を頭の中で立体的にイメージできるかどうかがポイントになります。
合同の証明は条件整理が重要
最後は、平行四辺形と点Eを使って、
「△ABCと△EADが合同であることを証明しなさい」
という問題です。
平行四辺形の性質や、与えられた条件、平行線から生じる角などを利用して証明します。
証明問題では、答えが分かっていても、根拠を正しく書かなければ得点できません。
普段から、
「なぜこの角が等しいのか」
「なぜこの辺が等しいのか」
を言葉にする練習をしておくことが重要です。
大問4 確率・規則性・データ【難易度:★★★☆☆〜★★★★☆】
大問4はコインを利用した確率と規則性の問題、データの分析です。
最初は比較的取り組みやすい確率問題ですが、後半になるにつれて考える量が増えていきます。
■ コイン3回の確率
最初は、
「コインを3回投げたとき、少なくとも1回は表が出る確率」
を求めます。
ここは基本的な確率の問題です。
■ 数直線上を動く点から規則を考える
続いて、コインの表裏によって点Pが数直線上を移動する問題が出てきます。
表が出たら右に2進み、裏が出たら左に1進みます。
そこから、
・2回投げたときの最大値
・3回投げたときの点Pの位置
・表が出た回数を文字で表した場合
・原点で止まる確率
などを考えていきます。
この問題のポイントは、単なる確率ではないところです。
特に後半では、
「規則を文字式にする」
という力が必要になります。
例えば、3回投げたうち表がa回なら、裏は「3−a」回です。
表では2進み、裏では1戻るので、最終的な位置をaを使って表すことができます。
つまり、場合を一つ一つ書き出すだけではなく、
「規則を文字で表現する」
という考え方が必要です。
このあたりから、数学が得意な生徒と苦手な生徒の差が出てきます。
データの問題は「表を正しく読む力」が必要
次に、30人分の得点データをまとめた度数分布表が登場します。
そこから、
・最小値が含まれる階級
・60点以上の生徒の割合
・箱ひげ図
などを考えます。
こうした問題は、単純に公式を覚えているだけでは対応できません。
表から必要な情報を読み取り、それを正しく処理する力が必要です。
特に箱ひげ図は、
「最小値」
「第1四分位数」
「中央値」
「第3四分位数」
「最大値」
の位置関係を理解していることが重要です。
■ 大問5 一次関数・正方形・動点・面積【難易度:★★★★☆】
今回の数学で、最も注目したいのが大問5です。
ここが今回の数学の「山場」と考えてよいでしょう。
大問5は、大きく分けると、
・一次関数と正方形
・動点と面積
・グラフと一次関数
という内容になっています。
大問5・前半 一次関数と正方形
最初は、
y = ax + b
と、
y = 1/3x
という2つのグラフを利用した問題です。
y = ax + b のグラフはx軸と点(−2, 0)で交わり、y軸と点(0, 3)で交わるため、aとbを求めることができます。
その後、2つのグラフ上にある点A・Cを使った正方形ABCDについて考えます。
さらに、
「点Bの座標が(2, 2)のとき、正方形ABCDの面積を求めなさい」
という問題へ進みます。
ここまでは標準的な一次関数と図形の融合問題です。
■ さらに文字を使って考える
大問5の最後の問題では、点Bの座標を(s, t)とおいて、正方形の一辺の長さが11になる場合を考えます。
ここでは、
「Aのx座標」
「ABの長さ」
「Cのx座標」
「BCの長さ」
をそれぞれ文字で表し、
「正方形だからAB=BC」
という関係を利用します。
単純に一次関数の式を求めるだけではありません。
図を見て、
「どの長さとどの長さが等しいのか」
を自分で整理する必要があります。
ここは、今回の模試の中でもかなり良い思考問題だと思います。
問5・後半 動点と面積
そして、大問5にはもう一つ大きな問題があります。
台形ABCDの辺上を点Pが、
B → C → D → A
の順番に、毎秒1cmで動いていきます。
そして、
「点PがBを出発してからx秒後の△ABPの面積をy cm²とする」
という設定です。
このときのxとyの関係をグラフで表したものが与えられています。
■ グラフと図形を結びつける
この問題で重要なのは、
「点Pがどの辺の上を動いているのか」
と、
「そのとき△ABPの面積がどう変化するのか」
を結びつけることです。
PがBC上にあるときと、DA上にあるときでは、面積の変化の仕方が違います。
そのため、グラフの傾きや変化の様子から、
「今、Pはどこにいるのか」
を考える必要があります。
■ 大問5の後半は「関数だけ」の問題ではない
この問題を解くためには、
・台形の性質
・三角形の面積
・速さ
・一次関数
・グラフ
など、複数の知識を組み合わせる必要があります。
特に、
「Pが辺DA上を動いているときのxとyの関係を式で表しなさい」
という問題では、図形の状況を数学の式に変換する力が問われます。
さらに、
「△ABPの面積が台形ABCDの面積の1/6になるのは、何秒後か」
という問題まで続きます。
このあたりは、単純な公式暗記だけでは対応しにくいでしょう。
今回の数学で最も差がつきやすい問題の一つだと思います。
大問別の難易度まとめ
大問1 小問集合 ★★☆☆☆
基本事項が中心。上位層はできるだけ満点を取りたい。
大問2 二次方程式・速さ・円 ★★★☆☆
幅広い分野から出題。文章題で差がつく。
大問3 作図・回転体・合同 ★★★☆☆
基本的な図形の知識に加えて、証明を書く力が必要。
大問4 確率・規則性、データ ★★★☆☆〜★★★★☆
確率では規則を文字式にする力が必要。
大問5 一次関数・正方形・動点・面積 ★★★★☆
今回の最大の山場。複数の単元を組み合わせて考える必要がある。
今回の数学で「差」がつくポイント
今回の問題を見ていて感じるのは、
「難しい公式を知っているかどうか」
だけでは、それほど大きな差にはならないということです。
むしろ重要なのは、次の5つです。
① 基本問題を落とさない
大問1の計算や、大問2の基本的な問題を確実に取ること。
特に上位層では、計算ミスによる失点が非常にもったいないです。
② 問題文を数学に変換する
速さの文章題などで、
「何をx、何をyとするのか」
を決め、そこから式を作る力が必要です。
③ 図形の条件を整理する
正方形、回転体、合同などでは、図に書かれている条件を整理して使うことが重要です。
④ 規則を文字式にする
大問4のように、場合を全部書き出すのではなく、文字を使って規則を表現する力が必要です。
⑤ 関数と図形を組み合わせる
大問5では、
「図形の情報」
↓
「面積」
↓
「グラフ」
↓
「一次関数の式」
というように、異なる分野を行き来して考える必要があります。
ここが今回の大きなポイントでしょう。
今回の数学は「難しかった」のか?
私の評価は、
「標準〜やや難」
です。
ただし、
「難問がたくさんあったから難しい」
という意味ではありません。
むしろ、
「前半は比較的取りやすい。標準問題を積み重ねた先で、後半に思考力が要求される」
というタイプです。
そのため、数学が得意な生徒にとっては、
「難しくて何もできなかった」
という模試ではなく、
「どこまで高得点を取り切れるか」
が問われる模試だったのではないでしょうか。
90点台後半を取るには?
今回の問題で90点台後半を取るためには、難しい問題が解けるだけでは足りません。
大問5のような思考問題に対応できる力に加えて、
「大問1の基本問題を落とさない」
という精度が必要です。
例えば、大問5の最後までしっかり解ける生徒が、大問1の計算で2点落としてしまう。
これは非常にもったいない。
逆に言えば、
「大問5まで対応できる思考力」
+
「基本問題を落とさない正確さ」
の両方があれば、今回の数学ではかなり高い得点を狙えるでしょう。
まとめ|第3回下野模試・数学は「後半勝負」
2026年度第3回下野模試の数学を実際の問題から分析すると、今回の大きな特徴は、
「前半は標準、後半で差がつく」
というところにあります。
大問1では基礎事項を正確に処理する力。
大問2では、二次方程式・文章題・円など幅広い単元への対応力。
大問3では、図形を処理する力と証明を書く力。
大問4では、確率だけでなく規則を文字式にする力。
そして大問5では、一次関数・正方形・動点・面積・グラフを組み合わせて考える力。
特に大問5は、今回の数学を象徴する問題だったと思います。
今回の模試で高得点を取れた生徒は、単に「計算ができる」というだけではなく、
「問題文を読み、条件を整理し、それを数学的な式や図に変換する力」
が身についてきていると評価してよいでしょう。
一方、思ったほど点数が伸びなかった生徒も、まずは大問1〜2の基本・標準問題で取りこぼしがなかったかを確認してみてください。
「難しい問題を解く力」と「簡単な問題を落とさない力」。
この両方を伸ばしていくことが、これからの下野模試、そして県立高校入試に向けて重要になってきます。
※本記事の難易度評価は、2026年度第3回下野模試の実際の問題をもとにした塾講師による分析です。正式な平均点・標準偏差・偏差値分布などの発表後には、評価が変わる可能性があります。
下野模試についてこちらの記事でも書いてます
→中3生に6月の下野模試を受けてもらった理由
→学校ではまだ習っていない。でも下野模試には出る。