丁寧に解き、図も書き、理解もできている。
それでもテストになると
時間が足りなくなる生徒がいます。
「理解できる」と
「時間内に解き切れる」は、
実は別の力なのかもしれません。
丁寧に解くタイプの生徒
授業中や自習中に
よく見かけるタイプの生徒がいます。
問題を読むと、まず図を丁寧に書き、
条件を整理して、一つひとつのステップを
きちんと確認しながら解き進めます。
途中式も省略せず、
見直しもしっかりします。
こういった生徒は、
理解力という面でいうと、
むしろ優れていることが多いです。
授業の内容を正確につかんでいるし、
解法の意味を理解した上で
答えを出しています。
「なんとなく解けた」ではなく、
「なぜそう解くのか」を意識している。
そういうタイプです。
理解できているのに時間が足りない
テストで時間が足りなくなる生徒は
必ずしも「わかっていない」生徒ではありません。
解いている部分の内容は正確で、
間違えているわけでもない。
ただ最後まで解き切れていない、
というケースがあります。
「わかっているのに時間が足りない」
という状況は、実はかなり多くの生徒が
経験しています。
そしてこれは、理解力の問題ではありません。
理解力と処理速度は別
「理解できる」と「時間内に解き切れる」は
実は別の力です。
理解力は、内容を正確につかむ力。
処理速度は、限られた時間の中で
判断・計算・記述を進める力。
この二つは関連しているように見えますが
独立したものとして鍛える必要があります。
丁寧に解く習慣がある生徒は、
理解力という点では
問題ないことが多いです。
ただ処理速度という部分が、
まだ十分に育っていないケースがあります。
どちらが大切かという話ではなく、
両方必要ということです。
テストは「時間制限」がある
テストというのは、正確さだけでなく
時間の中で解き切ることも
問われています。
どんなに正しい答えを出す力があっても
時間内に答えまでたどり着かなければ
点数には反映されません。
処理速度は、場数と訓練によって
上げていくことができます。
計算の自動化、
問題を見た瞬間の初動の速さ、
判断のテンポ。
こういった要素を意識的に鍛えることで
丁寧さを保ちながらも
スピードを上げていくことは十分可能です。
なお現場の印象として、
比較的女子にこのタイプが多いように
感じることがあります。
丁寧さや正確さを重視する姿勢が
強く出るのかもしれません。
ただこれはあくまで傾向の話であり、
男女関係なく同じ課題を持つ生徒はいます。
共通テストでさらに重要になる処理速度
共通テストは年々、
問題の情報量が増えています。
文章量、図表の数、読み解くべきデータ。
こういったものが増えた結果、
「理解できる」だけでなく
「速く処理できる」力が、
合否に直結しやすくなっています。
読む速度、情報を取捨選択する速度
解答に落とし込む速度。
これらが総合的に問われる
試験になっているという意識を、
早い段階から持っておいてほしいと思います。
丁寧さと速度のバランス
丁寧さは決して直すべき欠点ではありません。
理解を大切にする姿勢は、
入試においてもその後の学びにおいても
間違いなく強みになります。
ただ処理速度は意識しなければ
自然には上がりにくいです。
演習の量や質を通じて、
徐々に鍛えていくことが必要になります。
「丁寧に、かつ速く」は矛盾しません。
それを両立させることが、
受験勉強のひとつの目標になります。
まとめ
丁寧に解ける、図が書ける、理解できている。
それは本物の力です。
ただ受験という場では、
そこに「処理速度」も必要になってきます。
理解力と処理速度は別の力として、
それぞれ意識して伸ばしていく必要があります。
丁寧さは大切な力。
ただ、受験ではそこに
「処理速度」も必要になってくる。
そんなことを感じる場面が、
現場には少なくありません。
数学の学習や受験については、こちらの記事でも書いています。
→ 予習が当たり前の世界
→ AI時代でも勉強は必要なのか
→ 高校数学の「答えを見てはいけない呪縛」